訪問看護において、在宅医療において、
切っても切り離せないのが「ターミナルケア」です。
苦痛を緩和しながら、できるだけ生活の質(QOL)を保ち、
生活していくためのケアです。
人は誰でも最期があります。
それを在宅で迎えるにはとても多くのハードルがあります。
ターミナルケアとは
ターミナルとは「終末期」のことです。
よくがん患者様の緩和期や終末期のことをイメージされますが、
がん患者様に限定されることではなく、疾患が何であれ、
最期に向かっていく段階における支援のことを言います。
最期を迎える場所はいくつか選択肢があります。
①施設
②病院(ホスピス)
③在宅
ターミナルケアとよく似た言葉で「緩和ケア」というものがあります。
がんなどで、疼痛が強い方に対して、その苦痛を緩和させるためのケアを言います。
看取りの定義:
終末期にある患者に対し、患者本人(以下、本人)の意思と権利を最大限に尊重し、本人の尊厳を保つと共に、安らかな死を迎えるた めの終末期にふさわしい最善の医療、看護、介護、リハビリテーション等を行う。なお、これらの一連の過程を「看取り」と定義するものとする。
(参考: 在宅での看取りに関する手引き )
「最期は家で」を叶える支援
ある調査では、自宅で最期を迎えたいと願っている高齢者の
4人に3人が病院で亡くなっているといいます。
それほど在宅での看取りとは難しいものと言えます。
ターミナルケアは、
主に「身体的ケア」「精神的ケア」「社会的ケア」の3つに分けられます。
身体的ケアとは、
投薬などで痛みなどの症状を緩和するケアが該当します。
もちろん清拭・更衣・排泄などの日常生活上の援助や、
経管栄養や点滴などの栄養補給方法のサポートも含まれます。
精神的ケアとは、
死に向かっていく不安や恐怖を少しでも和らげるための支援です。
家族とどう過ごすか、友人とどう過ごすか、家の環境を落ち着いた環境に整えたり、
訪問時の声かけ一つもケアと言えます。
治療に伴う経済的な負担に対するサポートも必要です。
社会上の自分の役割がなくなるという喪失感や、
家族に対する申し訳ないという気持ちを軽減させるための支援が、
社会的ケアです。
これらは本人だけが対象になるのではなく、
ご家族をはじめとする周りの方に対するサポートも大切になってきます。
エポック訪問看護ステーション伊丹におけるターミナルケア
訪問看護においては、
ガンのターミナル患者様については年齢にかかわらず医療保険での利用の対象となります。
ターミナルケアと言っても、
そのかかわりは本当の終末期だけではありません。
その最期に向けて、
何のケアも必要ないのではと思う段階から、サポートに入る事があります。
利用者様の生活背景や生活、ご家族との関係など、その方の人となりを知り、
本当の希望を知りえるにはとても長い時間をかける必要があります。
本当に望んだ最期を迎えるため、
訪問看護師は「関係作り」というケアから関わるのです。
病状の変化は急速です。
1か月で自立していた生活レベルから寝たきりになることもあります。
この変化に対応し、
安心した在宅生活を続けるサポートをすることが、訪問看護の役割です。
訪問看護でターミナルケアを算定する方法
介護保険の場合
介護保険で訪問する場合、ターミナルケア加算というものが定められており、
ターミナルケアを提供している対象者が亡くなられた月に、
2000単位の算定が可能となっています。
その際は、ご利用者の体調やご家族の精神状況、
ご利用者の意向に沿ったサービス提供とアセスメントの記録を
しておく必要があります。
(※原則記録は、訪問看護記録書で行います。)
(※ケアを行った月と亡くなった月が異なる場合でも、死亡月に算定をします。)
また、医療保険又は介護保険の訪問を両方実施していた場合は、
最後に実施した保険制度のターミナルケア加算(ターミナル療養費)を算定します。
【厚生労働大臣が定めるターミナル加算算定の基準】
- ターミナルケアを受ける利用者について24時間連絡が取れる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問看護を行うことができる体制を整備していること
- 主治医との連携の下に、訪問看護におけるターミナルケアに係る計画および支援体制について利用者および家族等に対して説明を行い、同意を得てターミナルケアを行っていること
- ターミナルケアの提供について、利用者の身体状況の変化など必要な事項が適切に記録されること
また、2018年度の診療報酬改定では下記の2点が追加されました。
① 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、利用者本人及びその家族等と話し合い、利用者本人の意思決定を基本に、他の医療および介護関係者との連携の上、対応すること
② ターミナルケアの実施にあたっては他の医療および介護関係者と十分な連携を図るよう努めること
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」とは、
厚生労働省が作成した人生の最終段階を迎えた患者や家族と、医師をはじめとする医療従事者が患者さんにとって最善の医療とケアを作り上げるためのプロセスを⽰すガイドラインです。
医療保険の場合
医療保険で訪問看護を実施する場合、
訪問看護療養費に上乗せして「訪問看護ターミナルケア療養費」を算定します。
訪問看護ターミナルケア療養費は、
ターミナルケアの支援体制を整備している訪問看護ステーションが
在宅等での終末期の看護の提供を行った場合に算定します。
訪問看護ターミナルケア療養費には、
訪問看護ターミナルケア療養費1(25000円)と訪問看護ターミナルケア療養費2(10000円)の2種類があります。
特別訪問指示書を活用しよう
疾患に関わらず「終末期」であれば、特別訪問看護指示書を受けることができます。
特別訪問看護指示書を発行することで、
14 日間は基本的な制限に縛られず
「医療保険」の訪問看護が利用できるようになります。
医療保険での訪問看護には、
①1日1回
②週に3回まで
③1か所のステーション
という3つの原則がありますが、
特別訪問看護指示書を使えば、
1日2回の訪問や、
看護師2名での訪問、
2か所のステーション、
90分を超える長時間の訪問も
できるようになります。
ターミナルケアこそ在宅医療の最前線です
ターミナルケアほど、
チーム医療の力が発揮される場面はありません。
医師・看護師・ケアマネージャー・ヘルパー・薬剤師・福祉用具業者・etc…
多くの職種が一丸となり、うまく機能した時こそ、
利用者様・ご家族は安心して最期を迎えることができると言えます。
利用者様が今までどう生きてきて、今後どのように生きていきたいのかを知ること。
療養場所、看取りの場の意向を本人・家族・医療者が共有すること。
できるだけ心身の苦痛を緩和しながら患者の意向に沿った日常生活が送ること。
今後予測される予後や病状の変化について、共有すること。
その人らしい最期を迎えるために、
訪問看護が全力でサポートいたします。
エポック訪問看護ステーションは最期まで「その人らしく」を大切にします
エポック訪問看護ステーションは
伊丹・尼崎・川西・宝塚を中心として、
地域の皆様の健康と安心のため、
利用者様が「その人らしく生きる」手段を共に模索し提供してまいります。
※まずはお気軽にお問い合わせください※
TEL:072-770-1657
エポックでは、自費訪問リハビリサービスも併用して利用することができます。
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