ターミナル支援においては、
「最期を過ごす場所の選択」
「家族の死との向き合い方」
さらに
「在宅療養で医療者が出来ること」
が問われるのではないかと感じています。
コロナが蔓延する中で、病院では面会制限が現在でもひかれています。
訪問看護の現場でも、
「このくらいの事で入院をさせたら中々会えないのではないか」
「入院をしたら家族との最期の大切な時間を過ごせないのではないか」
と不安を抱かれている家族からの相談を受けることがあります。
ターミナルへ向かうプロセスを考えよう
経験上、人生の最終段階には、
個人の今まで歩んできた人生が大きく関わってくると実感しています。
看取りに関わるときには、
その方の歩まれてきた生活を視野にケアプランを立てることを目標に
情報を取らせて頂いています。
厚生労働省の人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドラインで、
3)人生の最終段階における医療・ケアにおいては、できる限り早期から肉体的な苦痛等を緩和するためのケアが行われることが重要です。緩和が十分に行われた上で、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケアの内容の変更、医療・ケア行為の中止等については、最も重要な本人の意思を確認する必要があります。確認にあたっては、適切な情報に基づく本人による意思決定 (インフォームド・コンセント)が大切です。
4)人生の最終段階における医療・ケアの提供にあたって、医療・ケアチームは、本人の意思を尊重するため、本人のこれまでの人生観や価値観、どのような生き方を望むか含め、できる限り把握することが必要です。また、本人の意思は変化しうるものであることや、本人が自らの意思を伝えられない状態になる可能性があることから、本人が家族等の信頼できる者を含めて話し合いが繰り返し行われることが重要です。
上記の、内容が掲げられています。
とても基本的内容ですが、
実施するときには医療者は必ず念頭におかなくてはいけない内容です。
最期を迎える方の状態も様々です。
- がんの末期のように、予後が数日~数か月の場合
- 慢性疾患の急性増悪を繰り返し、少しずつ予後不良に陥る場合
- 老衰や脳梗塞や心筋梗塞、骨折などの後遺症から、数ヶ月~数年にかけ死を迎える場合
どのような状態から、人生の最終段階に入るかによっても本人含め家族の考え方は違っています。
- 不安だから、毎日訪問看護師に状態確認に来てほしいという方
- 毎日、利用できるサービスは入れてほしいという方
- 家族で、普通の日常のようにして看取りたいから状態を見ながら、数日に1回の状態確認の訪問を希望される方
考え方は、その家庭によって様々です。
介護生活が長期に及ぶと、
「24時間付き添う」という考えは介護者に大きな負担を与えてしまいます。
【エポック訪問看護ステーション伊丹の経験談】キーパーソンを中心に家族の最期をサポートできた例
あるご家族のお話で素敵だなと感じたことがあります。
「『家で過ごしたい』というのが一番の望みだから、
もし、出かけている間に息を引き取っていてもいいと思う。
『家で居れて良かった』と言ってくれるだけでいい。」
24時間付き添い、同じ空間にいても静かに息を引き取ることもある。
それなら、お互いが気兼ねなく普通に生活することがいいと、
堂々と意見を話されておられました。
キーパーソンが主体になって、家族・本人と話が出来ており、
死への覚悟を家族全員で少しずつ前向きに考え、
家族の役割を適材適所にあてて介護生活を支えている姿に家族の温かさを感じました。
最期の選択は「どこで、過ごしたいか・過ごせるか」がポイントになります。
- 24時間の医療的処置を要する場合
- 医療処置を要する場合
- 自身で生活が送れる場合
- 少しの見守りがあれば生活が出来る場合
- 24時間誰かがいないと生活が出来ない場合
- 疼痛緩和が図れない場合
医療的処置を要する場合、程度に合わせ病院、療養型などもあります。
在宅面では、サービス付き高齢者住宅、グループホームなども生活の場として考えられます。
疼痛緩和が図れない場合は、緩和ケアという生活空間の場を探される方もおられます。
私たち訪問看護ステーションは、
在宅療養される場合=「住み慣れた家で過ごしたい」と願う方のために
ケアに関わらせて頂くことができます。
ターミナル支援にあたるには、看護のケアだけでは不十分です。
・家族
・通院先のクリニックや病院との連携
(医師、看護師、理学療法士、ソーシャルワーカー、薬剤師など)
・他職種(ケアマネージャー、地域包括センター、社会福祉士、民生委員)
・利用者様を支えているために利用しているサービス先(配食、ヘルパー、デイの職員など)
訪問看護師の仕事は、利用者と利用者に関わる職種との懸け橋をしています。
亡くなった後も支援する デスカンファレンスという機会を設けていますか。
看護では、亡くなった患者さんへの看護を振り返る機会を設けることを
「デスカンファレンス」と称し医師、家族、看護師などの関わった職種で実施しています。
亡くなった患者さんへの看護を振り返り話し合うことで、
看護に携わった者自身の成長や心のケアにも繋がります。
また、家族も死を受け止め、新たに前を向く機会にもなります。
看取りを終えたのちは、家族も医療側も無力感を感じることが少なくありません。
人を見送るということは、こうして関われて良かったという面と
「この対応でよかったのか」
「もっと出来たことはなかったか」
という後悔の面がでてきます。
そのため、デスカンファレンスは必要な過程なのです。
エポック訪問看護ステーションでも、
デスカンファレンス、グリーフケアを取り入れています。
最期の語る時間を、本人と家族が持てるように関わることを第一に、
本人や家族の意思の変化に応じ、
柔軟なケア姿勢で人生の最終段階に関わることを目標にしています。
※まずはお気軽にお問い合わせください※
TEL:072-770-1657
エポックでは、自費訪問リハビリサービスも併用して利用することができます。
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