リハビリをするにあたって、高齢者の転倒はなんとしてでも避けたいトラブルですね。
転倒の原因といえば
- 筋力低下
- バランス反応の低下
- 感覚の低下
- 認知機能の低下
などなど色々とあると思いますが
最近になって
過活動膀胱
が転倒の原因になっているということがわかりました。
結論から言うと
過活動膀胱による尿意切迫感によって
歩行時の注意力が削がれて転倒リスクが高まる
ということのようです。
確かに、高齢者じゃなくて我々でも漏れそうな時って注意力も落ちるし
歩き方自体もぎこちなくなったりしますよね。
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尿意によって歩行能力に変化。排尿時の転倒に注意
カナダのアルバータ大学の研究ですが
過活動膀胱と診断されている65歳以上の高齢者27人を対象に
9mほどの距離を往復してもらって
①膀胱がからの状態
②尿意切迫感がある状態
③脳機能を調べる課題を行いながらの状態
の3パターンで歩行を分析したところ
②の尿意切迫感がある状態での歩行は
③の脳機能を調べる課題を行いながらの歩行と同じような歩行の変化を示した
と報告されました。
実際にどんな変化があったかというと
最も変化があったのは歩行速度。
膀胱が空の状態では歩行速度が1.1m/secでストライドが1/19mだったのが
尿意切迫感のある状態では歩行速度が1.0m/秒、ストライドが1.12m
課題をこなしながらの状態では歩行速度が0.8m/秒、ストライドが1.0m
で全て有意に低下していたようです。
バランスの取れた歩行には認知機能に基づいた様々なインプットが必要ですが
加齢に伴って認知機能はどんどんと落ちていきます。
その中で尿意切迫を感じて気が散ってくると転倒リスクは高まるわけです。
そのリスクは約2倍とも言われています。
夜間排尿でも転倒リスクUP | エポックリハビリ
その他にも排尿に関わるものとしては
夜間排尿がありますよね。
この夜間排尿も転倒と関わりがあります。
千葉大学附属病院での研究では、
夜間排尿の回数が多いほど転倒回数が増加しており
夜間排尿の回数が3回以上で5%、4回以上で10%が年に1回以上転倒する
と報告されています。
また転倒したことがない人では過活動性膀胱は24%に対し
1回でも転倒の既往のある人では半数以上が過活動膀胱を有している
と報告されていて
このことからも過活動性膀胱などの排尿障害が
転倒と密接に関係していることがわかります。
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排尿障害に対するアプローチで転倒を防ごう
過活動性膀胱や夜間排尿といった泌尿器系の症状が転倒と密接に関係している
というのは少し意外ですよね。
身体機能が落ちてくると動作スピードも必然的に落ちて、
トイレに間に合わないことが増えてくる、
間に合わせようと急がないといけないことも増えてくる。
更に尿意切迫感が強くなりリスクが増す。
これでは悪循環ですよね。
排尿障害に対するアプローチによって
転倒リスクを低下させる可能性がありますので、
転倒が多く、かつ排尿障害がある患者様がいたら
排尿障害に対するアプローチも再考してみるといいかもしれませんね。
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