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在宅での看護・リハビリで大切にしたい認知症の方との関わり方

 

認知症とは

認知症とは、様々な原因で脳の細胞が破壊・減少し、様々な障害が起こる状態のことを言います。

認知症にはいくつかの種類があり、現れる症状は種類によっても異なりますが、

同じ型の認知症でも、人によって強く現れる症状に違いが出ます。

認知症の人口は増え続けており、

平成29年度高齢者白書によると、2025年には5人に1人、高齢者の20%が認知症になると言われています。

 

厚生労働省は、平成27年に

「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で 自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す。」

という考え方に基づき、

「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(新オレンジプラン)

を策定しました。

 

認知症の分類

認知症は大きく

  • アルツハイマー型認知症
  • レビ―小体型認知症
  • 脳血管性認知症

の3つに分けられます。

 

アルツハイマー型認知症

認知症の中で一番多いとされており、全認知症の約半数がこのアルツハイマー型認知症だと言われています。

記憶障害からはじまり広範な障害へ徐々に進行すると言われています。

 

レビー小体型認知症

レビー小体という特殊な物質が脳の神経細胞内にできることが原因で生じます。

幻視や幻覚が起きるのが特徴です。無表情や筋肉のこわばり等のパーキンソン症状が現れることもあります。

 

脳血管性認知症

脳梗塞など、脳血管障害により脳がダメージを受けて発症します。

脳の記憶や思考・感情を司る部分が損傷を受けます。

症状としては他の認知症とほとんど違いはありませんが、障害される部位により、手足の麻痺や呂律・嚥下困難・感情失禁などがみられることがあります。

 

前頭葉型認知症

脳の前頭葉や側頭葉前方の萎縮によりみられる認知症です。

他の認知症とは違った、特徴的な症状を示します。

「人格・社会性・言語」を司る部分が障害されるため、

・社会性の欠如(万引きなど軽微な犯罪を起こす)

・感情の欠如

・抑制が効かない

・同じ行動を繰り返す

などの症状がみられます。

 

若年性認知症

40歳から64歳に発症した初老期認知症に、18歳から39歳までに発症した若年期認知症を加えた認知症の総称のことです。

病気ではなく発症年齢による概念で、原因となる疾患には様々なものがあります。

比較的老年期の認知症より進行が速いと言われています。

 

認知症の症状

認知症には「中核症状」と「周辺症状」があります。

 

認知症の中核症状

①記憶障害

・短期記憶ほど失われ、長期記憶は保たれやすい

・体験を丸ごと忘れてしまう。

・物忘れを自覚できていないことが多い。

等の特徴があります。

②見当識障害

時間や場所、人間関係など、自分の状況を把握することを「見当識」といいます。

時間→場所→人間関係、の順に障害されることが多いと言われています。

③遂行機能障害(実行機能障害)

計画を立て、物事を順序よくこなしていくことが難しくなります。

複数の作業を同時に行うことも難しくなります。

④理解・判断力の障害

物事を理解するのに時間がかかるようになり、判断が難しくなります。

⑤失行、失認、失語など

 

他にも、嗅覚障害や進行すると関節の拘縮等が生じることがあります。

 

認知症の周辺症状

別名BPSDといい、

①不安・抑うつ

②認知症による徘徊

③弄便(ろうべん)(便をいじったりする行為)

④物盗られ妄想

⑤認知症によるせん妄

⑥幻覚

⑦暴力・暴言

⑧介護拒否

⑨失禁

⑩睡眠障害(不眠、昼夜逆転など)

⑪帰宅願望

⑫異食(食べられないものを食べてしまうこと)

などがあります。

 

周辺症状は、ほぼ全て中核症状が原因によるものです。

例えば、

怪我をして入院したが、記憶障害のためその事実を忘れ、家に帰ろうとする。

遂行機能障害によりうまく着替えができないことに腹を立てて暴言を吐く・暴れる

自分はできると思いこみ、訪問看護やヘルパーなどのサービスを拒否する。

などがあります。

 

自分や周りのことがわからなくなり、不安な感情が生まれます。

これによって落ち着かず異様な行動をとってしまったり、いらいらした感情を表に出して人にぶつけてしまうことがあるのです。

家族・介護者側が悩まされてしまうのは、実は周辺症状の方だったりします。

 

認知症の治療

認知症の治療は主に薬物療法と非薬物療法に分けられます。

 

認知症の薬物療法

認知症の薬は、

アルツハイマー病に使う薬が4種類、レヴィー小体型認知症に使う薬が1種類認可されていますが、

症状を完全に止めたりなくすものではありません。

 

主な治療薬の特徴は以下の通りです。

アリセプト:口腔内崩壊錠・細粒・ドライシロップ剤・ゼリー剤。アルツハイマー型認知症+レヴィー小体型認知症の治療薬

レミニール:錠剤・口腔内崩壊錠・内用液

イクセロンパッチ・リバスタッチ:貼付剤(貼り薬)

メマリー:NMDA受容体拮抗薬。気持ちを落ち着かせる効果がある。

 

認知症の非薬物療法

薬物療法と並行して、重要になってくるのがこの非薬物療法です。

 

リハビリテーションが代表的ですが、

他にも

  • アニマルセラピー
  • 音楽療法
  • バリデーション療法(受容と共感の態度を示す):あいづち、うなずき等
  • リアリティオリエンテーション(RO法)(今の状況を正しく認識してもらう):天気・季節などの会話

などがあります。

そして

リハビリテーション

があります。

 

認知症のリハビリテーション

認知刺激療法

五感(見る、触る、聞く、味わう、嗅ぐ)を使いながら、脳の活性化や認知機能の改善を目指します。

動画・音楽を鑑賞する、おやつを作って食べる、絵を描く、

足浴やホットパックなどをする、も認知刺激療法の一つです。

 

回想法

最近の記憶と比べ、昔の記憶は比較的保たれやすい傾向にあります。

慣れ親しんだ記憶に触れることで、

気持ちが楽になったり、楽しかったという感情自体を思い出したり、

その人らしい良さを引き出すことにも役立ちます。

 

音楽療法

懐かしい歌を思い出すことは記憶の想起に、

歌詞を認識して歌うことは脳の活性化につながります。

大きな声を出すことは腹筋も使い、全身の運動にもなります。

 

運動療法

認知症に運動?と疑問に思われる方もいるかと思います。

 

認知機能が落ちると自分で動こうという活動意欲が低下する方がいます。

運動量が落ちれば筋力・持久性の低下につながり、

進行すれば関節が固くなる関節拘縮のリスクも高くなります。

「認知症」と「転倒」についての関係性は多くの論文が出展されています。

 

転倒リスクを軽減させ、自分で動くことができる=介助の負担を軽減させることも大切な目的の一つです。

 

訪問看護における認知症ケアの原則

  • 話を聞く

介護者にとっては何度も聞いた話でも、

ご本人にとっては初めての出来事です。

話半分でも構いません。

気負わず、話に付き合ってあげよう、くらいでもいいので、

話を聞いてあげましょう。

 

  • リズム・ペースを合わせる

認知症の場合、何をするにも時間がかかるようになります。

動作が遅くなり、間違いや失敗も増える。

それを考えてゆとりをもって付き合ってあげましょう。

 

  • できるだけ「自分で」できるサポートを

できないことが増えると、なんでもかんでも手伝いたくなることが多いです。

そんな時は上記の2点を守り、ご本人でもできることをできるだけたくさん維持してあげましょう。

「できることがある」というのは、少なくてもご本人のQOLを上げてくれます。

 

  • プライドを傷つけない

認知症の患者様もおおくは人生の大先輩です。

人としての尊厳を大切にすることは、最も大事なことと言っても過言ではありません。

「叱らない」「否定しない」「議論しない」

これが大原則になります。

 

 

エポック訪問看護ステーション伊丹が考える長く認知症の在宅介護を続けていくための一工夫

在宅での介護におけるご家族の負担は計り知れないものがあります。

 

24時間見守ることなど不可能です。

無理せず専門家に頼り、相談しながら一緒に進めていくのがいいでしょう。

 

相談場所は、地域包括支援センター、居宅介護事業所、

もちろん訪問看護ステーションも相談をお受けしています。

地域によっては、認知症カフェなど、

当事者同士で交流ができたり、その場で専門家に相談ができる場などが設けられていることもあります。

 

一人で抱え込まず、周囲を頼ることを心がけましょう。

 

また、時には介護から離れて休む時間も必要です。

短期間入所介護(ショートステイ)のサービスを受けることもできます。

 

認知症の介護でお困りのことがあれば、

エポック訪問看護ステーションにもご相談ください。

 

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お気軽にお電話もどうぞ。

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