入院をしなければいけないの…?
在宅で介護をする中で、
時にご本人が体調を崩すなどして定期的な点滴が必要となることがあります。
そんな時は、訪問看護師が、訪問しサポートさせていただくことができます。
在宅で点滴をする目的
在宅に関わらず、点滴を行う目的は主に3つです。
- 水分補給
- 栄養補給
- 抗生剤の投与(細菌感染)
ターミナルの利用者様や、急激な状態の悪化により食事がとれなくなった方、認知症の進行により口から栄養が取れなくなる方、嚥下機能の低下により経口摂取が難しくなる方、
などに対して、点滴が処方されることがあります。
点滴をしてはいけない場合もある
実は、臨終が近くなった時は、大量の点滴をすることは禁止されています。
WHOも「やってはいけない」と勧告を出しています。
臨終が近くなり、水分が取れなくなってくると、体は脱水症状となり、感覚は軽く麻痺したような状態となります(式が近づくと尿量は減っていきます)。
ぼんやりとした意識のまま、それこそ「眠るように」息を引き取ることが、一つの自然な死の形と言えます。
しかし、この時期に点滴をすると、その水分を処理することができず、顔や足はぱんぱんにむくんでしまい、痰が気管を塞いで窒息しそうになることもあります。
意識もぼんやりしたまま、苦痛を与える延命にもなりえるのです。
臨終の間際だけでなく、終末期になってくると、
腎臓のろ過機能も低下しており、心不全などがあると余計に負担をかけて死期を早めてしまうリスクもあります。
点滴をするには、その適用を考え、適切なタイミングで行うことが大切です。
訪問看護で点滴をする方法
輸液セットや留置針等、点滴に使用する物品は基本的に医療機関が準備することがほとんどです。
主治医と連携している薬局などが事前時ご自宅へ届けてくれていることもありますが、
必要があれば訪問看護師が責任を持ってお預かりし、管理します。
病院と違って、処置をする環境が整っていないのが訪問看護の現場。
そのお宅に合わせて点滴環境をセッティングします。
点滴自体にかかる時間はまちまちです。
ほとんどは訪問看護時間内に終わるよう設定しますが、
どうしても時間をかけて滴下しないといけない時などは、
他の利用者様の訪問に行ってから、再度後処置のためにお伺いすることもあります。
在宅では、このような流れで、点滴をしています。
・バイタルサイン測定(血圧、体温、脈拍、SPO2等含め)、体調管理を行います。
・医師からの点滴指示を伝え、薬剤の確認を利用者・家族と一緒に確認を行います。
・排泄の有無を確認し、環境整備、安全の確保を行い実施します。
※点滴の高さ調整として、家にあるハンガーやフックなどを使用して行います。
・施行中は、訪問看護師が付き添います。
※訪問看護師が付き添わず、家族が付き添う場合は家族に注意点を伝え、対応方法を伝えます。
・終了後は、止血確認を行います。
※抗凝固剤を内服の方については、注意が必要です。
点滴業務が主な指示の場合もありますが、点滴を必要とされている場合は日常生活に支障をきたされている方がほとんどです。
お困りのことがないか、家族が困っていることはないかを確認を行い、必要なケアを点滴の前後で行っていくのも訪問看護師の仕事です。
訪問看護あるある①「点滴台がない…!」
もちろん点滴棒もありません。
よくベテランスタッフが持ち歩いているのは「S字フック」です。
カーテンレールに引っ掛けたりして使うことができるので大変便利なようです。
他にも、利用者様宅にあるハンガーを代用しているスタッフもいます。
訪問看護あるある②「使用済み針はどうしよう…」
よく忘れがちなのが針を廃棄する入れ物です。
針刺し事故防止のためにも、口の広い針が貫通しない容器を用意しておきましょう。
おすすめは「化粧水のボトル」です。
医療廃棄物は主治医に往診時などに引きとってもらいます。
訪問看護で点滴を施行するにあたっての注意点
訪問看護ステーションでは、主治医の指示書に基づき訪問看護師が単独で訪問して処置を行います。
そのため、独居の方の場合や認知症の方しかおられない場合も多くあります。
病院では、患者を間違えや薬剤間違えをしないためにダブルチェックを行っています。
在宅でも同じように、
・薬剤、利用者確認、手技確認、物品確認をスタッフ間で徹底。
・医師の指示書を細かく受ける。(滴下速度、注意点等)
・医師と緊急時に連絡が取れるよう連携を図る。
・ケアマネージャ、家族、施設職員などとの連携を図る。
・訪問看護師が訪問終了してからのフォロー体制の確認。
・点滴が一人で行える技術のある看護師が訪問。
を行います。
※日常生活の中での医療の介入であり、利用者様には様々なサービスが入っています。
例えば、入浴サービス等時間が決まっています。連携を取りながら、点滴の施行時間を決めることも訪問看護師の仕事です。
主治医との連携
訪問看護で点滴を行う場合、
重要になってくるのが主治医との連携です。
点滴に関する物品の準備は医療機関が行い、管理は訪問看護ステーションが行うことになります。
利用者様の状態を常に把握し、何か変調があればすぐに主治医と連絡を取り合い、
常に最新の状態を主治医が把握できるように努めます。
主治医が適切な指示を行えるように、訪問看護ステーションは報告と情報共有を怠りません。
在宅で点滴をするなら在宅患者訪問点滴注射指示書が必要です。
訪問看護で点滴を行うには、介護保険でも、医療保険でも可能ですが、
「在宅患者点滴注射指示書」
というものが必要です。
- 週3日以上の点滴注射を行う必要を認め、訪問看護ステーションに対して指示を行う場合に交付されます
- 患者1人につき週1回に限り、月に何回でも交付できます。
- 指示期間7日以内です。継続して点滴を行う場合、毎週交付が必要になります。
- IVH(中心静脈栄養)は対象外です。
ただし、訪問看護指示書がなければ、在宅患者訪問点滴注射指示書を交付することはできません。
新規の利用者様の場合、訪問看護指示書の発行もお願いすることになります。
点滴の回数が週1~2回の場合、訪問看護指示書の中に点滴の指示を記載すれば、点滴を実施できます。
(逆に、3回以上の場合は在宅患者点滴注射指示書が必須になります。)
在宅患者訪問点滴注射管理料
週3日以上の点滴を実施した場合、在宅患者訪問点滴注射管理料として、
主治医が「60点」を算定できます。
点滴をすると特別管理加算を算定する場合があります。
訪問看護で点滴の処置を行う場合、
介護保険なら「点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態」
医療保険なら「在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者」
に該当する場合、
特別管理加算を算定することができます。
エポック訪問看護ステーション伊丹でも点滴の対応を行っています。
エポック訪問看護ステーションは
伊丹・尼崎・川西・宝塚を中心として、
地域の皆様の健康と安心のため、
利用者様が「その人らしく生きる」手段を共に模索し提供してまいります。
※まずはお気軽にお問い合わせください※
TEL:072-770-1657
エポックでは、自費訪問リハビリサービスも併用して利用することができます。
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