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【エポックコラム】在宅生活の中で、知っておいてほしい誤嚥性肺炎の予防介護

肺炎は、現在日本人の死亡原因第5位という高い割合を占めています(平成30年調査)。

 

入院を要した高齢患者の肺炎の種類を調べたデータによると、

80歳代の約8割が誤嚥性肺炎、90歳以上では9.5割以上が誤嚥性肺炎

と報告されています。

 

つまり、後期高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎だと捉えられます。

 

肺炎による死亡者の96.8%が65歳以上、

肺炎が原因で亡くなる60歳以上の高齢者のうち96%が誤嚥性肺炎である

というデータもあります。

 

訪問看護の現場では、加齢による低下、難病等の病気が原因で、

嚥下機能障害をお持ちの方も多くおられます。

肺炎は、高齢者にとって死につながるケースが多くあります。

在宅生活での日常生活援助、食事や姿勢などに気を付けておられる介護者は多いのではないでしょうか。

特に口腔ケア、食事形態、水分摂取への工夫などで悩まれていませんか。

 

 

誤嚥性肺炎とは

物を飲み込む働きを嚥下機能、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。

誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。

(引用:日本呼吸器学会HP

 

誤嚥には

頸性誤嚥」と「不頸性誤嚥」があります。

 

特にリスクが高いのは「不頸性誤嚥」です。

 

不頸性誤嚥は、ムセ等の症状が出ないため、誤嚥しているかどうか見た目では判断しづらいため、

誤嚥を見逃してしまう可能性が非常に高いです。

 

また、胃の中身を嘔吐し、消化液である胃液を吸い込んだ時におきる肺炎で、主たる原因はことでおきるメンデルソン症候群という化学性肺炎もあります。

 

誤嚥の機序

嚥下までの段階は、主に4つの流れがあります。

  • 食べ物を認識する「先行期」
  • 口腔内で食べ物を噛んで細かくする「準備期」
  • 舌の運動により食べ物を口腔から咽頭に送る「口腔期」
  • 嚥下反射により食べ物を咽頭から食道に送る「咽頭期」
  • 食道の蠕動(ぜんどう)運動により胃まで運ぶ「食道期」

 

これらの機能のどこかが障害を受けることで、嚥下障害が起こります。

 

「誤嚥」とは、この機能不全により、食べ物を口にした時に間違って食べ物が気管に入ってしまうことです。

 

嚥下機能障害が、どこのプロセスで問題か考えてみましょう。

  • 食事の認知は出来ていますか。

認知症の方では、食事動作が入らないことがあります。

  • 咀嚼はできていますか。

硬さが硬い時は、柔らかいものにしましょう。

  • 噛んだものを口の中でまとめられていますか。

舌で丸めることが出来るか。パサパサして咽ないかなど確認をしましょう。

  • 嚥下できていますか。

水分で咽たりする場合は、トロミやゼリーを試してみましょう。

※嚥下に至るまでに問題点を解決出来たら、誤嚥を予防することにつながります。

 

嚥下機能の評価:反復唾液嚥下テスト(RSST)

30秒で何回唾を飲めるかどうかを測るテストです。

このテストの良い所はすごく簡単で道具が要らないことです。

2回/30秒以下を陽性とし、3回以上を正常とします。

 

在宅の現場でのチェック項目 誤嚥性肺炎の症状

誤嚥性肺炎の主な症状は、

  • 発熱
  • 肺雑音が聴取される
  • 呼吸困難
  • 激しいせき
  • SPO2値の低下

等の症状が出現します。

訪問看護では、病院に送る前に確認するのが普段の聴診音とどう違うかで判断します。

在宅で、誤嚥が起こった場合は、慌てずに口腔内のものを、ひとまず除去しましょう。

そして、頭を挙上した状態で呼吸が安定するか観察しましょう。その間に主治医や、看護師に相談しましょう。

発熱、呼吸状態に異変がある場合、病院を検討しましょう。

病院では、採血にて炎症反応所見や胸部レントゲン、CTなどを撮影します。

誤嚥をした場合は、しばらくは呼吸状態、発熱状態を観察しましょう。

 

新しい肺炎の定義 医療・介護関連肺炎(NHCAP)

ここで知っておいてほしいのが、医療・介護関連肺炎(NHCAP)です。

 

医療・介護関連肺炎(NHCAP)とは、

2011年に定められた市中肺炎、院内肺炎に続く新しい肺炎の概念です。

 

特徴的なのは難治性・再燃性で、予後が不良と考えられる高齢者に多い点と、

薬剤耐性菌による肺炎である点です。

【NHCAP の定義】

1.長期療養型病床群もしくは介護施設に入所している

2.90 日以内に病院を退院した

3.介護を必要とする高齢者,身障者

4.通院にて継続的に血管内治療(透析,抗菌薬,化学療法,免疫抑制薬等による治療)を受けている

 

【NHCAP の主な発症機序】

1.誤嚥性肺炎

2.インフルエンザ後の二次性細菌性肺炎

3.透析などの血管内治療による耐性菌性肺炎(MRSA 肺炎など)

4.免疫抑制薬や抗癌剤による治療中に発症した日和見感染症としての肺炎

(医療・介護関連肺炎 診療ガイドラインより引用)

 

エポック訪問看護ステーション伊丹が考える 誤嚥性肺炎になりやすい人・なりにくい人

誤嚥しても、抵抗力がしっかりあれば、肺炎にならないこともあります。

食物の量や内容によっては、咳払いで喀出できていることがあります。

誤嚥してから肺炎発症までに1日ほど要するときもあります。

 

誤嚥性肺炎を起こす大きなポイントとしては

  1. 喀出力
  2. 免疫力
  3. 防衛体力

の3つがあります。

誰でも時には誤嚥をします。

健康な若年者も誤嚥することはあります。

しかし、この3つのポイントが弱っている人は肺炎になりやすいのです。

 

こんな人は要注意 誤嚥性肺炎のリスク因子

  • 意識・注意の低下
  • 器質的異常(骨・脳血管障害など)
  • 臥床・産後などによる廃用
  • 経鼻チューブ
  • 挿管チューブ・気管切開
  • 口腔内環境の低下
  • 胃食道逆流
  • 咳嗽反射の低下
  • 肺疾患

そして

  • 低栄養(サルコペニア)

です。

 

肺炎の治療として、よく上がってくるのが

・絶食

・抹消ルート管理

・抗生物質投与

ですが、

高齢者や低栄養、サルペニアによって嚥下機能が低下しているが誤嚥性肺炎を起こした時、

このような処置をしてしまうと、低栄養によってさらに体力も機能も低下してしまいます。

 

誤嚥性肺炎の治療においては、栄養管理が特に重要です。

 

以下の人は嚥下障害、誤嚥のリスクが高くなります。

  • やせているか
  • 目が覚めているか
  • 声は出るか
  • 猫背か
  • 痰はたくさん出るか
  • 口の衛生状態(乾燥)
  • 喉仏が下がっているか
  • 首は動くか

 

嚥下機能のミクロな評価だけではなく、

このようなマクロの評価も重要な因子となります。

 

【エポック訪問看護ステーション伊丹】在宅で誤嚥性肺炎予防のためにできること

エポックがお伝えする誤嚥性肺炎の予防①口腔ケアの徹底

臥床傾向の患者さん、意識レベルが低い患者さんは特に口腔環境が悪化しやすいです。

食べ物だけではなく、唾液でも誤嚥される方が中にはおられます。

口腔内の細菌が肺に入らないように口腔ケアが重要になってきます。

 

・口腔内の乾燥はありませんか。水分摂取は十分ですか。

・義歯はしっかり、洗浄しましょう。歯茎がやせないように義歯はきちんとつけましょう。

 

リハビリの場面では、相対的に痰の喀出や唾液分泌が増えやすくなります。

理学療法士・作業療法士であっても、口腔環境の評価を行い、

必要があれば口腔ケアを行った上で、リハビリを提供することで、

誤嚥性肺炎を未然に予防することも必要なことがあります。

 

エポックがお伝えする誤嚥性肺炎の予防②口腔体操

食事をとる前に、舌の動きや発語練習等の口の体操をしましょう。

・パタカラ体操や首周りの筋肉をほぐす運動をしましょう。

・よだれがしっかり出るように、しましょう。

 

エポックがお伝えする誤嚥性肺炎の予防③食事形態の調整

嚥下がしやすい大きさ、硬さ、トロミの必要性などを検討しましょう。

物を飲み込むのにかかる時間、嚥下回数を観察しましょう。

口の中に、残っていませんか?

 

理学療法士が関わる誤嚥予防 食事姿勢の評価・シーティング

誤嚥を起こす大きなリスクとして、食事時の姿勢があります。

一人では食事の姿勢等のポジショニングが困難な方には、理学療法士によるポジショニングの指導を訪問看護では提案できます。

 

食事時のダメなポジショニングのポイントとして、以下のことがあげられます。

  • 首が上を向いている
  • テーブルが高すぎる
  • 円背
  • 体幹が安定していない
  • 足底が床についていない
  • 仙骨座り

 

あまり食事の様子を評価するセラピストは多くいませんが、

良い姿勢を評価できるのは理学療法士・作業療法士です。

 

ベッド上で臥床していることで、痰等の老廃物が背中側に蓄積されることがあります。

・食後2時間は横にならずに、座ったりギャッチアップを挙げておきましょう。

・食事時間は長くないですか。姿勢が崩れていませんか。

・臥床時間は長くないですか。体位変換は行っていますか。

 

患者さんの生活すべてがリハビリです。

 

エポック訪問看護ステーション伊丹は看護とリハビリの力で誤嚥性肺炎の予防に努めます

経鼻経管栄養や胃ろうをされて帰宅されるケースが病院からは増えているようです。

退院時に、施設等の在宅施設では食事が一人で出来ないと胃ろうなどを検討されることがあります。

経口摂取では誤嚥を繰り返すことが多い方は、このような対応を取られるケースが多いと思います。

しかし、根本的には嚥下機能が障害を受けているということは、唾液でも誤嚥がするため、胃ろう等に変えても誤嚥リスクは消えません。

 

誤嚥性肺炎を繰り返す方は、訪問看護師による定期的な訪問をお勧めします。

また、歯科の往診も、誤嚥性肺炎の既往がある方にはお勧めしております。

 

誤嚥の原因を考え、誤嚥予防を検討し介護に努めましょう。

※まずはお気軽にお問い合わせください※

TEL:072-770-1657

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