足がむくむ、だるい、痛い、
そんな訴えはありませんか?
訪問看護の現場でも、よくむくみ(浮腫)の症状は目にしますが、
その中には単なるむくみではなく、
深部静脈血栓症(DVT)という血栓症の症状である場合があります。
訪問看護の現場でも見かける深部静脈血栓症(DVT)とは
深部静脈血栓症 (deep Vein Thrombosis:DVT)は、
四肢や骨盤の深部静脈に生じる血液凝固であり、肺血栓塞栓症などの重篤な合併症の原因にもなります。
深部静脈血栓症(DVT)の症状
- 熱感
- 疼痛(鈍痛)
- 圧痛
- 下肢の腫脹・浮腫
- 痺れ
- 重量感
- 表在静脈拡張
- 色調変化
など
症状が片側性の場合は深部静脈血栓症を疑い、
両側性の下肢腫脹は全身性疾患(心不全・腎不全・肝不全など)を疑います。
しかし、このような典型的症状は大きな DVTが存在しなければ発現しません。
下肢>上肢、遠位>近位で多く、
ちなみに下肢のDVTは左側に多いと言われています(左総腸骨静脈が右総腸骨動脈に圧迫されるため)。
深部静脈血栓症(DVT)の判別
大腿周径に2cm以上の左右差、下腿周径 に1.5cm 以上の左右差がある場合はDVTを疑います。
DVTの代表的な鑑別検査として、
- Homans徴候(足関節の背屈により下腿痛が出現する)
- ローウェンベルグ徴候(マンシェットによる加圧で腓腹部に疼痛が著明である)
などがあります。
確定診断には静脈エコーが用いられます。
D-dimerとは
DVTと聞いてよくセットで耳にするのがD-dimerです。
D-dimerは、深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)の、2つの血栓症が疑われる場合に使われる検査です。
新型コロナウイルス感染症の診療においては、重症化を見極める指標となる「重症化マーカー」でもあります。
D-dimerはDVTの除外診断に有効です。
数値が正常であれば99%血栓はないと言われています。
逆に、数値が高いからといってDVTと確定することができないという点がポイントです。
最終的には静脈エコーによる診断が必要です。
深部静脈血栓症(DVT)の要因
発生要因として有名なのは「Virchowの3因子」です。
①血流の停滞
②静脈内皮障害
③血液凝固能の亢進
深部静脈血栓症(DVT)の危険因子
- 血流うっ滞
- 長期臥床
- 心不全
- 無動(麻痺など)
- 全身麻酔
- 肥満
- 長時間の坐位保持
- 静脈血栓の既往
- 血管内皮損傷
- 外傷
- 手術
- 凝固・線溶系異常
- 悪性腫瘍
- 妊娠
- 経口避妊薬
- エストロゲン治療
- 播種性血管内凝固症候群 (DIC)
- プロテイン C 欠損症
- プロテイン S 欠損症
- アンチトロンビンⅢ欠損症
- プラスミノーゲン欠損症
- 第Ⅴ因子ライデン変異
DVTの合併症
- 肺血栓塞栓症(PTE)
- 脳梗塞
- 血栓後遺症
があります。
深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)は合わせて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼ばれます。
【エポック訪問看護が教える】DVTのある方への治療
薬物療法
DVTの治療は、基本は薬物療法が基本です。
抗凝固薬…血液を固まりにくくします。例:ヘパリン
血栓溶解薬…血栓を溶かす薬です。
リハビリテーション
DVTを発症した方に対しては、マッサージは禁忌です。
そこで重要になってくるのが運動療法です。
積極的な運動は、静脈血栓塞栓症の予防の基本です。
「今にも肺塞栓症を起こしそうな大きな血栓がある」といった場合を除いて、
運動療法はDVT発症早期から行うと良いと言われています。
歩行は下腿のポンプ機能を活性化させ,下肢への静脈うっ滞を減少させます。
最も効果的なのは足関節の底背屈を中心とした下肢の自動運動です。
他動運動にも一定の効果はあり、自動運動ができないときには他動運動を行う場合もあります。
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