日本人の死因で常に上位にある疾患に
肺炎
があります。
その9割は65歳以上の高齢者であり
肺炎で入院した方の約６割は
誤嚥性肺炎
と言われています。
この誤嚥によって、摂食障害、そして低栄養に繋がっていきますので
誤嚥が起きないようにすることは
それ以降の障害を防ぐことにもなるので
まずは誤嚥を防ぐことが重要となります。
そんな誤嚥性肺炎のリハビリとして
色々な介入方法がありますが
それ以外の方法として
アロマテラピー
しかも
ブラックペッパー（黒胡椒）
の香りに嚥下機能を改善させる効果があることがわかりました。
嚥下に関わる脳の活動と嚥下反射が改善
施設に入所している高齢者に対して
ブラックペッパーのアロマを嗅がせたところ
嚥下運動に関わる島皮質の血流の改善
嚥下反射と嚥下運動回数が改善した
という報告があります。
また、この報告を受けて
難治性肺炎で絶食状態にある高齢女性に対して
アロマチップを使い、2週間のアロマテラピーを行ったところ
嚥下反射潜時肺炎像・炎症像が改善し、
経口摂取が可能になった
という報告もあります。
さらに、島皮質の他にも
意欲と関わっている前帯状回が活性化することもわかっており
食欲が低下している方に対して、食欲増進の効果があることも報告されています。
他にも
脳卒中後の高齢者に対して
朝晩毎食後に１分間ブラックペッパーのアロマテラピーを実施したところ、
１ヶ月後には嚥下回数が１分間に0.4回から3.7回に増加し
嚥下が開始されるまでの時間が17.6秒から4.4秒に短縮した
という報告もされています。
このようなアロマテラピーは香りを嗅がせるだけなので
- 意識状態の低下している方
- 絶食している方
- 慢性誤嚥の方
- 肺炎を繰り返している方
などにも非常に使いやすいとされています。
特に食事の拒否が出現してくるアルツハイマー型認知症で
ブラックペッパーによる食欲の増進は効果がある
とされています。
ブラックペッパーのアロマ効果とは
さて、それでは少し趣向を変えて
ブラックペッパーのアロマテラピーの効果に関して
東洋医学の中医アロマの観点からもお話します。
まず、ブラックペッパーの味は当然ですが
辛味
ですよね。
東洋医学では辛味は「肺」と関係のある味覚となります。
また、肺以外にも関わっている内臓があって
それが胃と大腸です。
誤嚥は口や舌といった消化器に関わる問題になってきます。
そのため消化器の中心である
胃
を補うブラックペッパーが誤嚥と関わりがあると言えそうです。
また、大腸は「肺」とセットになっているとされています。
大腸の機能を高めることによって
肺を助けるという意味で
誤嚥性肺炎とも関わりがあると言えますね。
在宅介護に便利などの家庭にもあるもので誤嚥予防
アロマはただ嗅ぐだけですし、
プラックペッパーなら家庭のどこにでもある香辛料ですので
手軽に行うことができますね。
ご家族などに試してもらえば
誤嚥性肺炎に対する我々の介入もより効果的になる可能性がありますので
試してみてもいいかもしれませんね。
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