高齢者の健康のバロメーターには色々なものがありますが
握力が死亡率との関連があるということはご存知でしたか?
イギリスのグラスゴー大学の研究では
40〜69歳までの一般市民を対象に握力とその後の脂肪率、特定疾患の発症率を調べたところ
握力が弱い人では疾患による死亡率が増加する傾向を示した
と報告されています。
握力と筋力 | 筋肉は代謝機能に重要な役割
では、なぜ握力が弱いと死亡率が増加するのでしょうか?
まず筋肉は身体を動かすということ以外にも
タンパク質の貯蔵庫として糖の代謝やエネルギー代謝にも重要な役割を果たしています。
そのため筋肉量が少ないことでこれらの機能の低下を引き起こします。
そのため糖尿病をはじめとして
- 癌
- 呼吸器疾患
- 慢性腎臓病
- 感染症
といった様々な疾患で筋肉量が減少していることがわかっており、
筋肉量とこれらの疾患の相関関係が示唆されています。
そして、実際に研究では、
握力5kg毎に、
総死亡率・心疾患・呼吸器疾患・COPD・あらゆる癌(前立腺がんを除く)
による入院と死亡率において有意な差を示した
と報告されています。
この時のカットオフ値は
65歳未満の
- 男性は39.5kg
- 女性は23.5kg
65歳以上では
- 男性は29.5kg
- 女性では16.0kg
となっています。
もしも、この数値より低ければあなた、もしくは患者様は死亡リスクが高くなっている可能性があります。
グーパー運動と全身運動で握力を鍛えよう
ということで握力を鍛えることは非常に重要だということはわかっていただけたと思いますので
実際にどうやって鍛えるのか。
スポーツ用品店に売っているような器具を使っても良いでしょうが、
すでに握力がだいぶ弱っているという方であれば道具を使わずに
手を大きく開いたり握ったりを繰り返すだけでも十分効果はあります。
他にも水の入ったペットボトルを持って、腕を肩の高さまで挙げて
前腕の回内・回外(手のひらを上にしたり下にしたり)する運動をしても良いでしょう。
重さのあるものを落とさないようにしっかり保つことで握力を鍛えることができます。
また握力は全身の筋力の状態を表すとも言われているので
全身の運動も必要です。
オススメはスクワットや座位での足上げ運動、腹筋。
実際に九州大学の研究で
体力が平均以下だった高齢者に対して上記の3つの運動を3ヶ月行ってもらったところ
ほとんどの人で全身の体力が向上しただけでなく、握力の運動をしていないにも関わらず
握力もしっかりと向上していた
と報告されています。
いつでもどこでも握力は調べたり鍛えることができる
このように握力と様々な疾患、死亡率との相関が認められています。
普段の臨床で血液検査などは気軽にできるものではありませんが、握力を調べることはいつでもできますよね。
そして、運動も簡単にできます。
これでリスクを調べたり、予防できたりするのであればとても便利ですよね。
ぜひ、今後は握力にも注目してリハビリをしてみてくださいね。
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