コラム 看護

訪問看護師が教える在宅でできる透析(腹膜透析)とは?

腎臓の機能が低下し、老廃物や余分な水分を体外に排出できなくなると、透析が必要になります。

透析には“血液透析(HD)と腹膜透析(PD)”の2種類がありますが、腹膜透析は自宅で行える透析方法として選択されることが増えています。

しかし、在宅での透析には適切な管理や感染予防、生活習慣の調整が欠かせません。そこで訪問看護は、患者さんが安心して自宅で透析を続けられるようにサポートする重要な役割を担っています。

本記事では、腹膜透析の基本、在宅での管理のポイント、訪問看護の支援内容について解説します。

 

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腹膜透析(PD)とは?

腹膜透析とは、患者さん自身の腹膜を使って体内の老廃物や余分な水分を取り除く方法です。

腹膜透析のしくみ

  1. 腹腔内にカテーテルを挿入し、透析液を注入する
  2. 透析液が体内の老廃物や水分を吸収する
  3. 一定時間後に透析液を排出し、新しい液に交換する

腹膜透析の種類

腹膜透析には、主に以下の2つの方法があります。

 

方式方法特徴
連続携行式腹膜透析(CAPD)1日4~5回手動で透析液を交換昼間の対応が必要、機械不要
自動腹膜透析(APD)夜間に機械を使い自動で透析日中の負担が少ないが機械が必要

 

在宅での腹膜透析管理のポイント

腹膜透析は患者さん自身で行う治療のため、適切な管理が必要です。

ポイント①感染予防の徹底

腹膜透析では、お腹に直接カテーテルを挿入しているため、感染症のリスクが伴います。

感染予防のポイント

  • 透析液の交換は清潔な環境で行う
  • 手洗い・手指消毒を徹底する
  • カテーテル挿入部の消毒と保護を行う
  • 発熱や腹痛、排液の濁りがある場合はすぐに医療機関へ連絡する

ポイント②体調管理

  • 体重測定を毎日行い、水分管理を徹底する
  • 血圧やむくみの有無をチェックする
  • 排液の色や量を確認する(異常があればすぐに報告)

ポイント③ 食事管理

腹膜透析では、体内の老廃物や水分をコントロールするために食事管理が重要です。

食事のポイント

  • タンパク質を適量摂取(低タンパク食になりすぎない)
  • 塩分を控えめにする
  • カリウムやリンの摂取量を調整する
  • 水分摂取量に注意し、むくみや体重増加を防ぐ

 

訪問看護の役割:自宅での透析を支えるサポート

訪問看護は、腹膜透析を行う患者さんが安全に在宅療養を続けられるよう、以下のようなサポートを提供します。

透析管理のサポート

  • 透析液の交換手順の確認と指導
  • カテーテル挿入部の感染予防と処置
  • 透析液の排液状態のチェック(異常の早期発見)
  • 水分管理・血圧測定のサポート

体調の変化を早期発見

訪問時に患者さんの状態を観察し、異常があれば早期に対応します。

  • 発熱や腹痛がないかチェック
  • むくみや息苦しさがないか確認
  • 排液の色が濁っていないか確認

食事や生活習慣のアドバイス

  • 適切な食事管理の指導(栄養バランスの取り方)
  • 運動習慣のアドバイス(無理のない範囲で体を動かす)
  • 日常生活の工夫(入浴・外出時の注意点など)

家族のサポート

腹膜透析は家族の協力が必要になることも多いため、家族への指導や負担軽減のサポートも行います。

  • 家族への透析ケアの指導
  • 介護負担を軽減する方法の提案
  • 不安や悩みの相談対応

 

腹膜透析は、自宅で行うことができる透析方法ですが、適切な管理が必要です。

訪問看護は、

  • 透析管理のサポート
  • 感染予防の指導と処置
  • 体調管理と異常の早期発見
  • 生活習慣や食事のアドバイス
  • 家族の負担軽減

など、患者さんとご家族を支える重要な役割を担っています。

 

在宅透析をより安心・安全に続けるために、訪問看護を積極的に活用しましょう。

透析管理や生活の不安がある方は、ぜひエポック訪問看護ステーションにご相談ください。

 

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