昔は１つの家に３世代が住むのが当たり前でしたが、
次第に核家族化が進んで行きました。
さらに近年は独居というところも増えてきましたね。
訪問看護の利用者様でも様々な理由で独居生活をされている方がいらっしゃいます。
子供たちが家を出ることによって
高齢になってから独りになってしまう人もいれば
若い頃から恋愛や結婚に興味がなく、
経済的にも家族を養う余裕がないなどの理由から
独りを選ぶ人も増えています。
「独りは気楽でいいわ。」
なんて言葉もよく耳にしますが
やはり、独りは寂しくなる時も多いですし
孤独は非常に健康に悪いということがわかってきました。
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孤独は早期死亡リスクを50%高くする
アメリカのブリガムヤング大学のジュリアン・ホルトランスタッド教授の研究で
「社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて、早期死亡リスクが50％低下する」
という報告をしました。
どれくらいのリスクかというと
タバコ15本/日というタバコ依存症やアルコール依存症と同等で
さらには運動習慣がないことや肥満よりも高い
とされています。
孤独や一人暮らしは死亡率が30%ほど高くなるという報告もされています。
またオーストラリアでも
親戚との関係性は大きな影響はなかったが、友人の有無は寿命に関係があった
という報告がされています。
さらに孤独は
冠動脈性の心疾患のリスクは29%、
心臓発作のリスクを32%も高くなり
認知機能の衰えは20%早くなり
アルツハイマーのリスクも2倍
日常動作能力の衰えも早い
など、様々なリスクが高くなります。
【 訪問看護師が考える 】高齢者の孤独感を軽減させる要因は
というわけで、
孤独のリスクはなんとなく感じてもらえたと思いますが
やはり1番なんとかしなくてはいけないのは高齢者の孤独ですよね。
1998年とやや古い研究になりますが
広島市の面接調査によると
高齢者の孤独感を軽減する要因としては
自尊心
と
手段的支援
があったと報告されています。
手段的支援は一人暮らしを維持するために必要なもので
親族や友人、その他の社会的ネットワークによる支援です。
他者との理解・共感を得た人間関係というものがとても重要です。
当たり前かもしれませんが
人との関わりを増やす
ということですね。
そのための方法としては
ボランティア活動がおすすめされます。
同じ目的を持って活動をすることによって
上述の他者との理解や共感を得た人間関係を形成しやすいと言えます。
また、人の役に立っているという経験によって
生きがいを感じ
自尊心を満たすことにもつながります。
何を一緒にしていくかを考えることが看護やリハビリには重要
もちろん外に出て活動することが難しい利用者様もたくさんいらっしゃいます。
家から出られない方のために、私たちサービス支援者がどう関わるか、
というのもとても大切になってきます。
私たちが普段仕事として行っている訪問看護・リハビリも
立派な手段的支援ですので
訪問をして、お話を聞き、一緒に何かをするということも大切なリハビリのひとつです。
何をしてあげることがその人にとって大事なことか
改めて考えていきたいと思います。
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