訪問看護で働くにあたり、必ず1度は作成するものがあります。
それが
「訪問看護計画書」「訪問看護報告書」
です。
ではこの2つは誰にどういう目的で作成するのでしょう?
どのように記載したらいいのでしょう?
初めて訪問看護で働く方にも是非読んでいただけたらと思います。
訪問看護計画書とは
訪問看護の実施にあたり、
利用者の希望、主治医の指示、心身の状況、ケアプランの内容をふまえて、
療養上の目標や目標達成のための具体的サービス内容等を記載した
訪問看護計画書を利用者ごとに作成する必要があります。
※准看護師は作成することはできません。
基本的には月に1回作成し、月初めに提出・説明を行う事業所がほとんどです。
初回時は、月途中であっても作成します。
複数の訪問看護ステーションからサービスを受けている利用者についての訪問看護計画書・報告書に関しては、
事業所間で十分な連携を図ったうえで作成しなければなりません。
作成した計画書は、利用者に説明・同意を得たうえで、交付します。
利用者様には署名をしてもらう必要がありますが、
利用者様本人の自署であれば捺印は不要、とされています。
訪問看護計画書の内容
①「利用者氏名」「生年月日」「要介護認定の状況」及び「住所」
② 「看護・リハビリテーションの目標」
「訪問看護指示書」による主治医の指示に基づいて、それぞれ目標を設定します。
③ 「年月日」
計画書を作成した年月日を記載します。
④ 「問題点・解決策」及び「評価」
訪問看護を行う上での問題点及び解決策並びに評価を具体的に記入します。
※「評価」の欄については、初回のサービス開始時においては、空欄であっても大丈夫です。
⑤ 「衛生材料等が必要な処置の有無」「処置の内容」「衛生材料等」及び「必要量」
衛生材料等が必要になる処置の有無について○をつけること。
衛生材料等が必要になる処置がある場合、その内容について具体的に記入し、「必要量」については1ヶ月間に必要となる量を記入し、主治医に提出・報告する必要があります。
⑥ 「備考」
⑦ 「作成者①②」
「作成者①」には必ず看護師又は保健師の氏名を、「作成者②」については理学療法士・作業療法士が訪問した場合、その計画の作成者の氏名を記載します。
看護師のみの訪問であった場合は、「作成者①」のみの記載で構いません。
実は令和2年の4月から医療保険と介護保険で書き方が変わったんです!
令和2年の4月に診療報酬の改定があり、
訪問看護計画書の記載様式が変更されました。
先ほどの「作成者①②」の欄は削除され、「訪問予定の職種」という欄が新たに設けられ、、
訪問看護を提供する予定の職種について記載することが求められるようになりました。
例えば看護師と理学療法士が訪問する場合、
「看護師 月曜・水曜
理学療法士 金曜」
のように記載します。
ここで気をつけておきたいのが、これは「医療保険」の改訂になるということです。
「介護保険」を利用して訪問看護を提供する場合は、
元々の様式を使用するため、記載内容が医療保険と介護保険の利用によって異なることになります。
訪問看護報告書とは
訪問看護サービスの提供者は、訪問看護計画書の内容を踏まえて、
月に1回主治医・ケアマネージャーに訪問看護報告書を提出しなくてはなりません。
訪問看護報告書の内容
① 「利用者氏名」「生年月日」「要介護認定の状況」及び「住所」
② 「訪問日」
多くはカレンダー形式になっており、看護師訪問の場合、訪問看護を行った日に〇をします。なお、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護を実施した場合は◇、急性増悪等により特別訪問看護指示書の交付を受けて訪問した日には△、緊急時訪問を行った日は×印をつけます。。
③ 「病状の経過」
④ 「看護・リハビリテーションの内容」
⑤ 「家庭での介護の状況」
利用者の家族等の介護の実施状況、健康状態、療養環境等について記入します。
⑥ 「衛生材料等の使用量および使用状況」
訪問看護計画書で、衛生材料等が必要であると記載した場合、使用した衛生材料等の名称、使用及び交換頻度、1ヶ月間における使用量を記入し、主治医に報告します。
⑦ 「衛生材料等の種類・量の変更」
衛生材料等の変更の必要性の有無について○をつけます。
⑧ 「特記すべき事項」
⑨「作成者①②」
計画書と同様に、それぞれ該当する職種について○をつけ、氏名を記入します。理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護を提供した場合には、「作成者①②」の両方に記入します。
ちなみに、厚生労働省の「訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて」によると、
とあります。
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問する場合の計画書・報告書は?
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリテーション職種が訪問する場合も、
書式自体は変わりません。
ただし、看護師とリハビリ職種が連携して作成するものとされており、
リハビリテーションだけのサービス提供の利用者様であっても、
月~3か月に1回程度のモニタリング訪問の結果を踏まえつつ、看護師も目標や評価を記載する必要があります。
また、介護保険では「作成者①②」医療保険では「訪問予定の職種」欄に
看護師・理学療法士のそれぞれの情報を記載します。
介護保険では別紙で理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士が行った内容の詳細を書く必要があります(※令和3年介護報酬改定)
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問看護(リハビリ)を行った場合、
従来の様式に加えて、
「訪問看護報告書別紙(理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護の詳細)」を作成する必要があります。
その記載内容は以下の通りです。
- 日常生活自立度(※訪問看護指示書に基づく)
- 認知症高齢者の日常生活自立度(※訪問看護指示書に基づく)
- 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容
- ADL評価(Barthel Index)
- 参加についての評価(家庭内の役割・余暇活動・社会地域活動・終了後に行いたい社会参加等の取組)
- 看護師との連携状況、看護師の視点からの評価
訪問看護計画書・訪問看護報告書は主治医・ケアマネージャーとの連携ツール
月1回(要支援の場合は3か月に1回)しか会わないケアマネージャー、
受診の時にしか会わない主治医
にとって、頻回に訪問し、利用者様と関わるサービス提供スタッフの情報はとても貴重です。
介護保険法上でも、
主治医・居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)との連携について述べられており、
積極的な情報共有と連携は、訪問看護ステーションの責務でもあります。
連携のために最も身近に活躍するのが
訪問看護計画書・訪問看護報告書です。
主治医の指示はあくまで方針となる部分だけです。
利用者様に会わせてより具体的に、目標や解決策を決定し、計画を立てる必要があります。
その計画に基づいてサービス提供をした上で、その結果・評価を報告しなくてはなりません。
きちんと指示に基づいたサービス提供がされているか、
逆に見落とされているけれど課題となる部分はないのか、
実際に利用者様と接しているスタッフだからこそ気づける部分を共有し、
よりよい在宅医療・チーム医療を提供できるようにするための
とても大切なツールなのです。
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