終末期リハビリテーションという言葉は聞いたことがあるでしょうか?
「もう動けないからリハビリは必要ない」?
「最期だから頑張らず穏やかに過ごしてほしい」?
看取りの時期だからこそ、リハビリテーションの重要性が発揮されることがたくさんあるのです。
ターミナル・終末期リハビリテーションとは
「終末期リハビリテーション」は、
疾病やケガ、高齢が原因で、自立した生活を営むことができず、
症状が進行して改善も困難な状況の患者に対し、
最期までその人らしい人生を全うしていただくためのリハビリテーションとされています。
ターミナルと聞くとガン末期のことを想像する方が多いかと思いますが、
終末期とは、
「治療効果が期待できず予測される死への対応が必要となった期間」を指し、
ガンだけにとらわれるものではありません。
エポック訪問看護ステーション伊丹が終末期リハビリテーションでできること
看取りを迎える大変な時期にリハビリテーションは必要ないのでは、という人もいます。
しかし、
病気やケガからくる苦痛を軽減し、最期まで人間らしく活動していくためには、
リハビリテーションの関わりが重要です。
多くの患者様は、進行の過程で、
筋力低下・運動麻痺・拘縮・しびれ・疼痛・嚥下障害・認知障害など、さまざまな機能障害が生じます。
それらによって、基本動作や歩行、セルフケアなどの日常生活動作に制限が生じ、QOLの低下をきたしてしまいます。
その時の病態に応じてリハビリテーションを行い、ADL や QOL の低下を防ぐことが重要なのです。
リハビリテーション職種に求められることとして、
疼痛緩和・安楽なポジショニング指導・廃用症候群防止・精神面のフォローなどがあげられます。
ターミナルでリハビリができること①基本動作能力・ADLの維持
ADLが制限されてくると、一気に身体機能は低下します。
自分の思った通りに動けないというジレンマも大きくなり、精神的な落ち込みも大きくなります。
最期まで病気と向かい合うための体力つくりという面でも、自分でできることはできるだけ長く続けられることが大切です。
活動量が減れば、刺激も減ります。
自分のしたいことができなくなればQOLの大幅な低下を招きます。
筋力低下や可動域制限などにより、体の動きが制限されてくると、
体を起こすことだけでなく寝返りも不十分となり、褥瘡のリスクも上がります。
適切なポジショニングにより褥瘡の予防と安楽に過ごせるような環境つくりも大切な役割の一つです。
苦痛の多い時期だからこそ、日々の楽しみと自分らしさを保つ上で、リハビリテーションは重要な役割を果たすはずです。
ターミナルでリハビリができること②苦痛を減らすための疼痛緩和
一口に疼痛と言ってもたくさんの種類があります。
疾患に起因するものなのか、
二次的に障害されたものが原因なのか、
精神的苦痛が大きな比重を占めるのか。
体が思うように動かないと、自分で身じろぎをして痛みを逃がすこともできません。
循環も悪くなり痛み物質・ストレス物質の蓄積も増えてしまいます。
終末期リハビリテーションでは、
ただの機能維持だけでなく、終末期にかけて大きくなる精神的なストレスに
寄り添いながらともに向き合います。
ターミナルでリハビリができること③安全・安楽に過ごすための環境調整
トイレまで行けなくなった、ではおむつにしよう。
立てなくなった、では寝たきりだ。
と安易にレベルを落としてしまうのではなく、少しでもご自身でできることはないかと考えます。
寝ている時のクッションひとつをとっても、少しの差で安楽に過ごせるかどうかが変わってきます。
いかに安全に配慮しながら、ADLが保てるか、QOLを維持できるかを考えながら、関わっています。
ターミナルでリハビリができること④共に歩む家族支援
病気と向かい合うのは利用者様だけではありません。
共に生きるご家族も同じです。
看取りに向けて介護をされるご家族の負担は計り知れないものがあります。
そんな中でも負担を取り除き、ご本人・ご家族共に不安なく過ごしていけるようなサポートが必要となります。
ターミナルだからこそ活かされるチーム医療の大切さ
最後を迎える利用者様に対し、同じ方向性を持ち、それぞれの専門性を最大限に活かすチーム医療はとても重要です。
本人や家族の希望に沿いながら、病期や体調によりプログラム内容を柔軟に変更するなどの対応力が必要となります。
例えば、
最期に好きなお刺身を食べたい
少しでいいから家族と散歩がしたい
そんな希望があった時、リハビリテーション職種だけでは叶えることはできません。
主治医の指示のもと、看護師の状態管理、栄養面でのサポート、薬剤の調整、
介護保険であればケアマネージャーのプランニングなどなど、
多くのスタッフがチームで関わるからこそ希望を叶えることができるのです。
最後の時間をよりよく過ごすため、本人・家族との信頼関係、チーム医療での関わりが大切なのです。
『家族に迷惑かけたくない』
『良い思い出を残したい』
『最後まで自分らしく過ごしたい』
たくさんの思いがあります。
いい最期だった、とご本人やご家族が感じられるお手伝いをできること、
それが終末期リハビリテーションです。
残念ながら、
「もう終末期だからリハビリは終了します」
というお声をいただくこともあります。
利用者様・ご家族を支えるチームの中で、
最期までリハビリテーションとして関わることができることのありがたさと大切さを感じています。
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訪問看護において、在宅医療において、 切っても切り離せないのが「ターミナルケア」です。 苦痛を緩和しながら、できるだけ生活の質(QOL)を保ち、 生活していくためのケアです。   ...
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エポック訪問看護ステーション伊丹は最期まで「その人らしく」を大切にします
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